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リクナビ2027 採用担当者向けガイド|新機能・料金・マイナビ比較を徹底解説

リクナビ2027 採用担当者向けガイド|新機能・料金・マイナビ比較を徹底解説

新卒採用のスケジュールや学生の価値観が、ここ数年で大きく変わりつつあります。

リクナビ2027」は、その変化に対応するために新しい仕組みと料金体系を導入しました。

この記事では、リクナビ2027の特徴やマイナビとの違いを、採用担当者の視点から分かりやすく解説します。

中小企業が知っておくべきポイントと、実際の活用事例も交えながらご紹介します。

目次

なぜリクナビは変わったのか? 2027年卒採用のリクナビの答え

採用担当者の皆様が向き合う2027年卒の新卒採用市場は、もはや昨年までの常識が通用しない大きな転換期を迎えています。

その背景には、「採用活動の早期化」と、学生の価値観の変化が促す「ジョブ型採用」への移行があります。

採用戦線はすでに動いている。早期化・通年化のリアル

「広報解禁は3月、選考解禁は6月」という従来の採用スケジュールは、もはや形式的なものになりつつあります。

実際に、企業の人事担当者を対象とした2025年7月の調査(株式会社学情によりインターネットアンケート)では、9割近くが「2027年卒の採用活動は早期化する」と回答しました。

「2027年卒採用は早期化すると思うか」に対するアンケート結果を示す円グラフ。54.3%が「早期化すると思う」と回答。

また、同アンケートでは、2025年中に選考を開始する企業が6割近くにのぼるという予測もあり、水面下での競争はすでに始まっているのです。

027年卒採用での選考開始時期に関するアンケート結果を示す折れ線グラフ。最多は2025年10月の15.2%。

例えば、2024年の秋、私たちのクライアントであるIT企業の人事担当者は「来年の3月に向けて準備を」と考えていました。しかし、競合他社が11月時点でインターンシップ経由の早期選考を開始したことを知り、急遽戦略の見直しを迫られました。

このように、採用活動の長期化と通年化は、担当者の業務負荷を増大させる一方で、早期から学生と接点を持つ戦略の重要性を浮き彫りにしています。

リクナビが卒業年度の垣根を取り払い、「全学年対象」へと舵を切ったのは、この早期化する企業と学生のニーズに応えるための必然的な進化といえます。

「どんな会社か」から「どんな仕事か」へ。学生の価値観シフト

一方で、採用活動の主役である学生の企業選びの軸も大きく変化しています。かつては企業の知名度や規模が重視される傾向にありましたが、現代の学生は「その会社で何ができるのか」をより大切にします。つまり、「自分のやりたい仕事(職種)ができること」が、企業選びの決定的な要因となっているのです。

学生が入社を決めた理由として最も多いのは「自分のやりたい仕事(職種)ができること」であることを示す棒グラフ

リクルートマネジメントソリューションズが行った調査(*5)において、学生が内定を承諾した最終的な理由は「自分のやりたい仕事(職種)ができる」が15.1%で最多となっており、入社後にどんな仕事をするかは、学生の意思決定において重要な要素になっています。

引用元:株式会社リクルート「2027年卒以降の全学年を対象とした新しい『リクナビ』β版を9月18日(水)にリリース」

この価値観の変化は、新卒採用における「ジョブ型採用」の流れを加速させています。皆様の会社でも、総合職として一括採用するだけでなく、職種ごとの役割や求めるスキルを明示した上で、それに合致する人材を募集する必要性が高まっているのではないでしょうか。

リクナビ2027が従来の「企業単位」の掲載から、職務内容を主役とする「コース単位」の掲載へと大きく変更した背景には、この学生の価値観シフトとジョブ型採用への移行という、市場の大きなうねりがあるのです。

リクナビが2027年卒以降、全学年対象で利用できるサービスに変更されることを示す比較図

用語解説:ジョブ型採用(Job-based hiring)

職務内容(ジョブ)を明確に定義し、その職務を遂行できるスキルや経験を持つ人材を社外から採用する手法。メンバーシップ型雇用と対比されることが多い。

中小企業こそ好機!リクナビ2027採用がもたらす3つの変化

「うちは知名度がないから、大手ナビサイトでは埋もれてしまう」「採用にかけられる予算も限られている」。これらは、多くの中小・中堅企業の採用担当者が抱える共通の悩みかもしれません。

しかし、リクナビ2027の変革は、こうした状況を打破し、むしろ貴社にとって大きな追い風となる可能性を秘めています。ここでは掲載費用について、学生との出会い方、そしてマッチングの精度の3つの変化について解説します。

①料金体系の新しい仕組み:「クリック課金」

従来のリクナビは、掲載期間に応じて固定費が発生する「掲載課金型」でした。これは、多額の初期投資が求められ、特に採用予算が限られる中小企業にとっては大きな負担でした。

しかし、リクナビ2027では、学生が貴社の求人情報(コース)をクリックして初めて費用が発生する「クリック課金型」へと料金体系が刷新されています。

インプレッション課金とクリック課金の違いを比較した図。クリック課金はクリック時のみ費用が発生。

これは、単なるコスト削減以上の意味を持ちます。興味を持ってくれた学生の分だけ費用を支払う、合理的で無駄のない「成果報酬型」の採用投資が可能になったのです。

これまで費用対効果が見えにくかった採用広告費を、より戦略的に、かつ効率的に活用できるようになったことは、まさに料金体系のゲームチェンジといえるでしょう。

②出会い方の革命:「コース単位掲載」で仕事の魅力を直接届ける

リクナビ2027における最大の変更点が、掲載の主役が「企業」から「仕事(コース)」へと移ったことです。

これにより、学生は社名で企業を探すのではなく、「データサイエンティスト」「製品開発エンジニア」といった具体的な仕事内容から、興味のある募集を探すようになります。

リクナビの掲載方式が「1社1掲載」から「コースごとの複数掲載」に変わったことを示す比較図

この変化は、企業の知名度や規模といった要素の影響を最小限に抑えます。

たとえ社名は知られていなくても、魅力的な仕事内容やプロジェクト、そこで得られるスキルを具体的に提示できれば、学生の目に留まるチャンスが飛躍的に高まるのです。

これは、今まで大手企業の情報に埋もれがちだった専門性の高い技術を持つ中小企業や、ユニークな事業を展開する地方企業にとって、自社の本当の魅力を学生に直接届けるための画期的な仕組みです。

③マッチングの進化:AIが実現する「思いがけない出会い」

新しいリクナビの裏側では、世界的な求人検索エンジンIndeedの技術を活用した高度なAIが稼働しています。このAIは、学生のサイト内での行動履歴や登録された志向性を分析し、一人ひとりに最適化された求人情報を推薦(レコメンド)します。

複数の応募書類から候補者を選び出し、採用に前向きな様子の人物たちを描いたイラスト

例えば、学生がまだ貴社のことを知らなくても、AIが「この学生は、貴社の『AI開発エンジニア』コースに興味を持つ可能性が高い」と判断すれば、その学生の画面に求人を表示してくれます。

企業側から見れば、自社の求める人物像に近い学生に、自動的にアプローチしてくれるようなものです。学生側からも、自分の強みを言語化するのを助ける「ガクチカAIアシスタント」の満足度が96%を超えるなど、AI活用への期待は高く、このAIによるマッチングは、ミスマッチを減らし、双方にとって「思いがけない良質な出会い」を創出する強力なエンジンとなります。

学生が質問に答えることで自己PR文を自動生成できる「ガクチカAIアシスタント」の操作画面フロー図

リクナビ2027のポテンシャルを最大限に引き出すには、専門的な運用ノウハウが欠かせません。採用のプロフェッショナル採用ページ.jpでは、貴社のリクナビ採用の成功を戦略立案から伴走します。

お気軽にご相談ください

リクナビ vs. マイナビ 採用戦略上の正しい使い分け

新卒採用を検討する上で、リクナビと並び必ず候補に挙がるのが「マイナビ」です。この二大プラットフォームは、リクナビ2027の登場により、その特性の違いがより鮮明になりました。

貴社の採用ターゲットや戦略に応じて両者を正しく理解し、使い分けることが、採用成功の精度を大きく左右します。以下ではデータと機能から、その最適な選択軸を探ります。

確かに26卒の登録学生数はマイナビが約59万人とリクナビの約43万人を上回ります。しかし、リクナビ2027のAIレコメンドは、当社のニッチな技術職に興味を持つ学生を直接見つけてくれる可能性があります。量のマイナビ、質のリクナビ、という視点で両面から検討しませんか?

データで見るリクナビとマイナビの違い

まず、客観的なデータから両者の規模感を見てみましょう。新卒採用の知恵袋によると、2026年卒向けの実績では、掲載社数、登録学生数ともにマイナビがリクナビを上回っており、特に幅広い学生層へのリーチ力、いわゆる「母集団形成力」においてはマイナビに強みがあると言えます。

 リクナビ2026マイナビ2026
掲載社数1万1,248社3万113社
登録学生数43万398名59万4,068名

しかし一方で、リクナビ2027はクリック課金型への移行により、中小企業でも掲載しやすくなったため、今後の掲載社数の動向は変化する可能性があります。大切なのは、単純な数だけでなく、その「中身」です。

自社に合うのはどっち?プラットフォーム選択の3つの軸

データだけでは見えない両者の本質的な違いは、その思想にあります。

マイナビが「就活の総合ポータルサイト」として、イベントや自己分析ツールなど幅広いコンテンツで学生を網羅的に支援するのに対し、リクナビ2027は「AI駆動のマッチングエンジン」として、個々の学生と仕事(コース)の最適な出会いを追求する方向へ進化しました。

これを踏まえ、以下の3つの軸で貴社に合うプラットフォームを判断すると良いでしょう。

  1. 量を重視するか、質を求めるか
    とにかく多くの学生に自社を知ってもらいたい、大規模な母集団を形成したい場合はマイナビが有効です。一方、特定のスキルや志向を持つ学生にピンポイントで出会いたい、マッチングの質を重視したい場合はリクナビ2027のAI機能が力を発揮します。
  2. 知名度に強みがあるか、仕事内容で勝負したいか
    すでに学生からの知名度が高く、ブランド力で惹きつけられる企業は従来型のマイナビでも有効といえます。しかし、知名度は低いが仕事内容には自信がある中小・中堅企業は、リクナビ2027の「コース単位掲載」でこそ魅力を伝えられます。
  3. イベントを重視するか、オンラインでの出会いを期待するか
    マイナビは全国各地で大規模な合同企業説明会を開催しており、対面でのコミュニケーションを重視する企業に適しています。対照的に、リクナビ2027はオンライン上でAIによる「思いがけない出会い」を創出することに特化しています。

こうした両者の強みを活かし、初期段階ではマイナビで広く認知を獲得し、中盤以降はリクナビでターゲット層に絞ったアプローチを強化するなど、採用フェーズに応じた戦略的な併用も試してみてはいかがでしょうか。

よくある質問(FAQ)

Q1. リクナビ2027のクリック課金の料金は具体的にいくらですか?

A. リクナビ2027のクリック単価は、職種やエリア、時期など様々な要因で変動するオークション形式のため、固定料金は公表されていません。貴社でクリック単価の上限や月間予算を設定し、その範囲内で運用します。予算に応じた柔軟な広告出稿ができる点が特徴です。

Q2. 地方の中小企業がリクナビ2027で採用を成功させるポイントは何ですか?

A. 「コース単位掲載」を最大限に活用することです。企業の知名度ではなく、具体的な仕事内容で学生にアピールできるため、「ニッチだが専門性の高い技術職」「地域社会に貢献できるプロジェクト」など、その仕事ならではの魅力を学生に伝わる言葉で具体的に表現することが大切です。AIがその魅力に共感する学生を見つけてくれる可能性が高まります。

Q3. マイナビとリクナビ、結局どちらを使えば良いのでしょうか?併用は有効ですか?

A. 貴社の採用戦略によります。幅広い学生層にアプローチし、大規模な母集団を形成したい場合はマイナビが、特定のスキルや志向を持つ学生と質の高いマッチングを望む場合はリクナビ2027が適しています。両者の強みは異なるため、「マイナビで母集団を形成し、リクナビでターゲット層に特化したコースを掲載する」といった戦略的な併用は非常に有効な手段です。

Q4. 「コース単位」の掲載では、どのような求人原稿を作成すれば学生に響きますか?

A. 学生が「この仕事は面白そう」「自分のスキルが活かせそう」と具体的にイメージできる原稿が効果的です。例えば、「法人営業」ではなく「中小企業のDX化を支援するソリューション営業」のように職務内容を具体化し、使用する技術(言語やツール)、関わるプロジェクト、得られるスキルなどを詳細に記述することが、学生の興味を引きつけクリック率を高めるでしょう。

Q5. リクナビ2027の新しい機能を使いこなすリソースが社内にありません。どうすれば良いですか?

A. リクナビ2027の機能を最大限に活用するには、確かに戦略的な運用ノウハウが求められます。もし社内リソースが不足している場合は、採用活動の一部または全体を専門家に委託する「採用代行(RPO)」サービスの活用が有効な選択肢となります。私たち採用ページ.jpのような専門サービスは、効果的なコース設定や求人原稿の作成、応募者対応までをトータルでサポートし、貴社の採用成功を支援します。


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